
19世紀のヨーロッパの市民社会の中で、中流階層以上の家庭では、職住一致の時代も過ぎ、住居が、家の外で働く大人たちの安らぎと休息の場になってからは、子供たちは家の生活の周縁に追いやられ、主として親たちが、書斎、寝室、客間と部屋を取っていって、余りものの屋根裏部屋が子供たちの居場所として宛がわれました。
そして、親たちの社会生活に首を突っ込ませないために、その現実の生活の代用として、男の子にはスズの兵隊を、女の子にはドールハウスが与えられました。
この時代に書かれた今日でも代表的な児童文学作品の中でも、子供たちの居場所は、屋根裏部屋でした。
『ピーターパン』、『小公女』、『赤毛のアン』などを参照してみてください。
日本でも、太平洋戦争後、ベンジャミン・スポックの『スポック博士の育児書』がしつけのバイブルとして紹介され、独立心を養うために子供たちは別室で寝起きさせるように、という見解が広まり、また高度成長期の経済の興隆と共に、住宅の中に子供部屋を最初から設けるということが、徐々に広まってきました。
さらに、現代では国民生活の向上と少子化により、親が自分の部屋を持てないにも関わらず優先的に一人一室があてがわれたり、クーラーやパソコンといったものが設置されたりする事も珍しくなくなっています。
家の中で子供部屋は、日当たりの良い南向きの位置にあり、玄関脇から離れたところ、あるいは二階といった大人たちの地域や仕事の関係で人の出入りがあっても、子供たちの騒がしさが邪魔とならないような場所にあることが多いようです。
けれども南向きの部屋は、直射日光が入りすぎたりして、明暗の差が大きく、集中力が養いにくいともいわれています。北向きの部屋の方が落ち着いているという意見もあります。
また、最近は風水などで子供部屋を選んだりする人も多いようです。